中等度歯周病

中等度歯周病とその治療法

歯周外科治療

まずは、軽度の歯周病の時と同様に、ブラッシング指導、スケーリング・ルートプレーニングを行います。

しかしながら、中等度ぐらいに進行していると、歯周ポケットも深くなっており、通常のスケーリング・ルートプレーニングでは歯石が十分に取りきれないことがあります。それでは歯周病が改善しませんので、そのような場合には麻酔後に歯肉を切開剥離し、歯根を見える状態にして歯石を徹底的に除去します。

臨床例 1

歯肉の腫れや出血が気になり1年程前より他の歯科医院に通院しているが、なかなか治らないということで当院に来院された40代の患者さんです。

治療前

歯肉が著しく腫れており、深い歯周ポケットを認めました。歯肉を触るとすぐに出血する状態で、歯の動揺も全体的にありました。

レントゲン写真を見ると、歯周ポケット内の歯根面に歯石が多量に付着しています。歯根の表面がデコボコしていますが、それが付着している歯石です。この状態では歯周病が改善するはずもありません。歯周病細菌の居心地の良い住処になりますので、しっかり除去する必要があります。

歯周外科治療時

ブラッシング指導とスケーリング・ルートプレーニングを徹底的に行い、その後に歯周ポケットの残存した部位に歯周外科処置を行いました。

治療後

歯肉の腫れや出血はなくなり、歯周ポケットも改善し、健康を取り戻すことができました。ピンク色のきれいな歯肉になり、お口の中の不快感も無くなって、患者さんも喜んでおられました。

レントゲン写真で認められたポケット内の歯石も、きれいに除去できているのがわかります。

臨床例 2

歯周病の状態が気になるということで来院された50代の患者さんです。

基本的な歯周病治療を行ったところ、一部の歯に深い歯周ポケットが残存しました。このままでは歯周病の進行が避けられないと判断し、深いポケット内に付着している歯石を除去するために、歯周外科処置を行いました。

歯周外科処置により残存していた歯石を除去することができ、歯周病の改善を図ることができました。

治療前

基本治療終了後、中等度の歯周ポケットの残存を認めました。

歯周外科診療時

歯肉を切開剥離すると、ポケット内の歯根面に黒い歯石が付着しているのが確認できました。

専用の器具を使用して、歯石をしっかり除去しました。歯根表面が滑沢な状態になっているのがわかります。その後に縫合を行い、手術部位を閉鎖しました。

歯周外科処置後

歯肉は少し下がりましたが、歯周ポケットは正常値に改善しました。

治療後

その後、歯肉の形態異常を改善し歯周病の再発防止とプラークコントロールのしやすい環境を確保するために歯肉の形成術(遊離歯肉移植術)を行い、クラウンを装着しました。